・・服部農園のお米ができるまで・・

日本全国の栽培と比較して遅い時期の6月に田植えをする大口町。
田植えの準備から収穫出荷までをご紹介します。

 5月   籾まきと稲苗づくりが始まります。

他の地域では田植えが始まりだしたゴールデン・ウィークに籾まきが始まります。
「籾(もみ)」とはお米の種の事です。左の写真が「籾まき」という作業。
ベルトコンベアー式の機械でトレーの上に 土→籾→水→土 と進んでいきます。
右の写真は苗床(なえどこ)を作っている作業。見ての通り「パタパタ」という作業名(笑)
パタパタして苗床を平らにして苗箱を並べやすくしています。彼らの後ろに並んでいるグリンの物体が先ほど籾まきをした苗箱です。
苗箱を並べ、牟呂(ムロ)をかけて発芽をさせています。

 

「苗並べ」の様子。
発芽した苗を1枚づつ苗田(なえだ)に並べていきます。見た目以上の重労働。重い苗箱を何枚も重ねて持ち、ぬかるんだ田んぼの中を歩きます。

最近では育苗を施設の中(ビニールハウス)で行う事がほとんどで、こうした稲本来の生育環境での育苗は珍しくなってきました。

 

服部農園の最大の特徴 「元気くん」作業

「よく、まぁ、こんな手間のかかる事を・・・」と言われます(^_^;)

苗の成長に合わせてローラーの重さを変え、負荷を掛けます。負荷を掛けられて倒れた苗は「もっと強くなろう!」と立ち上がります。立ち上がってきたところをもっと重たいローラーで前回とは逆方向へ負荷をかけます。
この作業を田植えまでに5~6回 一枚の苗に繰り返し行います。稲苗は負荷をかけられることで「エチレン」という成長ホルモンを自らだして、より強い苗へと成長していきます。苗の自然治癒力を引き出す事で、その後の環境変化や病気に強い稲に成長し、農薬低減につながっています。

H28年はこうして12,000枚の苗づくりをしました。

 

 6月  いよいよ田植えが始まります!

良い苗づくりができたら、いよいよ田植えのスタートです。
「田植え」といえば、田植え機にのるオペレーターが花形ですが、その裏ではそれを支える役者たちがいてくれます。

上の写真は「代かき(しろかき)」の様子。
「代かき」は技術を必要とするベテランの仕事です。田植えをする前に水を入れた田んぼをトラクターでかき回す(耕す)作業。
代かきをしながら、田んぼのクセを直していきます。高低差を直し、均一な圃場状態に仕上げます。

 

代かきの約2日後、いよいよ「田植え」です。

服部農園では疎植栽培(そしょくさいばい)という農法をしています。
植えた後の状態(写真手前の方)苗の本数が少なく、スッカスカにみえますよね?これが疎植栽培です。
疎植栽培を始めて、もう何年も経ちますが、やり始めた頃は、近所のベテラン爺さんに「服部さん、あんなんでええか?スカスカだがや」と心配されていました。
稲の事、この地域の事をよ~く知っているからできる事。不思議と収穫量は平均よりもグンと多いのです。

※疎植栽培は全ての地域に向いているわけではありません。地域性を考慮のうえご検討ください。

 

田植えを支える影の役者たち・・・

「苗めくり・苗運び」
田植えにまつわる仕事の中で最も重労働。箱を突き抜けてびっしりと根を張った苗箱を一枚一枚はがしていく。
はがす時には「地球がくっついてるんじゃないか?」と思うほどの重み。一日の仕事が終わると、手が震えて箸が持てないほど。田植えが終わる頃には指先がプラスチックのように固くなる。

ミッションはただ一つ 「田植機を止めるな!」 

田植機3台が止まらぬように、ただひたすら苗をはがし、ただひたすら田植機の元へ運び続ける。
28年、一番のヒーローは中間くん。たった一人で12,000枚の苗を運び続けた。
27年のヒーローは岡田くん 1枚5キロはあろうかという苗。ただひたすら苗をはがし、ただひたすら運ぶ。

 

植えた後の田んぼで、最も大切なのが水の管理。深すぎてもダメ、浅くてもダメ、隣の田んぼに迷惑をかけるのはもっとダメ。
全部で900ヵ所以上の田んぼを一枚一枚見て回る。畦(アゼ)が壊れていたり、用水が詰まっていたり、入出水口にゴミが詰まっていたり・・・
その補修も農家の大事な仕事の1つ。うまい農家は水の管理もうまいのです。

こうして6月の約一ヶ月間、来る日も来る日も田植えの日々

 

 

 7月~9月  ひたすら草との格闘

どうして田んぼに草を生やしてはいけないのでしょうか?と思う事もある・・・。

それでもやっぱり ひたすら草をとる。

田んぼに草を生やすと、その分お米の収穫量が減るから。
キレイな田んぼは美しいから。田んぼはむき出し、それだけ農家の力量も丸わかりって事です。
害虫と呼ばれる、稲を食害する虫は濃い緑色に寄ってくる(らしい)。雑草は稲よりも一色濃い緑色をしているので、雑草に害虫が寄ってくるとオイシイお米も食べられてしまうから。
雑草が生えると、その分田んぼの風の通り道が無くなって、蒸れたり、病気が発生したりすることもある・・・。

ひたすら草をとり、水管理をする日々。


除草機で「クサト~ル」

田んぼに入って「テデト~ル」

草刈り機で「クサカ~ル」 アイガモくんで「クサト~ル」

7月下旬 1週間程度
「中干し(なかぼし)」をします。

田植えをしてからこの時期まで、田んぼには水が入りっぱなし。
それは雑草の抑制と稲の分げつを促すためです。田植えの時には細細だった稲も分げつをして立派な株になりました。
7月下旬、約1週間、田んぼの水を抜いてカラカラに土を乾かすことで、しっかりと地面に根を張らせ、稲の分げつを止めます。
1週間の「中干し」が終わると、田んぼにはまた水を張ります。そして稲刈り前の9月下旬まで田んぼは水を張った状態です。

 

8月の終わり頃
 「出穂(しゅっすい)」といって穂が出始めます。

穂についている小さな白い物が分かるでしょうか?お米の花です。

夏の夜明け前、夜露にぬれて宝石のようにキレイです。

 

 

9月末、稲もずいぶん大きく育ってきました。

一生懸命管理してもどうしても草の生えやすい田んぼはあります。ひたすら「テデト~ル」
この時期の草かりと草取り(この地域ではヒエヒキと言います)は稲刈りの準備も兼ねています。大きな草はコンバインに負荷が掛かります。

 

 10月~11月  いよいよ稲刈り→乾燥・調整→出荷

収穫はやっぱりうれしい!
農家にとって一年の集大成

大型コンバイン2台をフル稼働。
コンバインで刈りながら
稲わらと籾に選別して籾だけを残します。

刈り取った籾はダンプにのせて
自社乾燥調製施設へ運びます。

 

 

 

刈り取ったばかりのお米は直ぐには食べられません。水分量が高いため保存に適した一定の水分量まで乾燥をします。昔話しで刈り取った稲を逆さに吊るして干しているのは、乾燥をさせているのです。

上の写真は乾燥機。乾燥をした後、調整という作業に入ります。

まずは籾摺り選別機で小さな稲わらや草の種、小石などを取り除いて籾摺り(もみすり)作業をします。
籾摺りとは籾の一番外側の皮を取り除いて玄米にする工程です。
服部農園のライスセンターでは籾摺りの後、玄米色選機にかけます。

奥が籾摺り機、
手前が色彩選別機(玄米用)

玄米色選機で未成熟なお米や虫食い米などの着色米を取り除きます。


玄米を30kgづつに袋詰め

パレットに詰み上げ出荷体制完了!


玄米


 12月~翌4月  米農家は何してるの?

ご心配なく(^_^)
仕事はたくさんあるのです。

まずは田植えに入るまでの数か月間、トラクターで田耕しをします。

一枚の田んぼに計3回。
時期を変えて田耕しです。
稲わらをすき込んだり、米ぬかたい肥をすき込んだり・・・。
次の年へ向けて土づくりが始まります。

畔の補修など田んぼのメンテナンスも
この季節の仕事です。

そして若手が重機の乗り方を覚えて力をつけるのもこの時期です。

そしてまた来シーズンの「米づくりへ」

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